アーカイブズ研究系では,その前身といえる旧・文部省史料館(通称)や旧・国文学研究資料館史料館(前者ともに以下「旧・史料館」)の研究を発展的に継承し,いくつかの研究プロジェクトを設けて研究を進めています.
アーカイブズ学は,アーカイブズ管理の実務・実践と不離一体の関係にあります.これまで旧・史料館では,その事業として順位のつけがたい3つの柱を持っていました.すなわち(1)アーカイブズとその管理およびその担い手養成のための研究(アーカイブズ認識・アーカイブズ管理・アーキビスト教育の各研究),(2)アーカイブズ情報の公開(収蔵アーカイブズの閲覧公開,アーカイブズ情報発信),(3)アーカイブズに関する教育・研修(アーキビスト養成,アーカイブズ専門研究者養成)です.これらの実践のなかで,アーカイブズに関するさまざまな側面からの研究が進められてきました.
当館では法人化と組織替えにより研究と事業が明確に分離されましたが,当館に限らず日本ではアーカイブズに関する事業はそれを自動的に遂行できるほど種々の基盤が未整備1です.そういったアーカイブズに関する基盤を構築すべく,アーカイブズ研究系では,期間を区切って優先的に取り組むべき研究課題を研究プロジェクトとして設定し,研究を進めています.
アーカイブズ研究系では,2004年度から6年間,つぎの研究プロジェクトを計画しました:(1)経営と文化に関するアーカイブズ研究,(2)東アジアを中心としたアーカイブズ資源研究,(3)アーカイブズ情報の資源化とネットワークの研究,の3つです.
また,科学研究補助金等によるアーカイブズ関連研究についても,実施または関与しています.
目標:原典資料に関する実証的研究を基礎とした,日本文化の多様性を総合的にとらえ直す研究計画に関連し,わが国近世・近代の地主および財団の経営と文化に関する資料のアーカイブズ学的研究を深める.
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目標:原典資料であるアーカイブズ資料の存在形態とその特質を東アジアを中心とした国際的な環境のなかで明らかにする.
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目標:アーカイブズ情報の資源化とその提供環境について,国際動向を踏まえつつ,実験的・実践的取り組みによって明らかにする.
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アーカイブズ研究系の構成員が実施または関与する関連研究には,つぎのようなものがあります(部分2).
(アーカイブズ研究系の構成員が研究代表者となっている研究)
(アーカイブズ研究系の構成員が関与している研究)
注記 Notes:
1. 日本では,図書館や博物館のばあい,司書や学芸員といった専門職制度が法的根拠をもって存在し,その専門的職務内容が学問的にも詳細に確立しているのに比べて,文書館・公文書館等のアーカイブズのばあい,専門職員が担うべき専門的職務内容であることが諸外国の例から明らかであるにもかかわらず,専門職制度は法的に整っておらず,実務内容の理論と実践を学問的に細密に確定しえてません.
2. 比較的規模の大きい主要なもののみをあげた.