【伊豆韮山江川家文書】
識別記号 2202-227401-001
資料記号 -
標題 伊豆韮山江川家文書
年代 1594年~1967年
主年代 江戸中-明治10年代
年代注記 文禄3年―昭和42年
記述レベル fonds
書架延長/数量 /40000点
物的状態注記 枝番号多数有り.
出所・作成 江川家
履歴 江川家は中世以来の旧家であり清和源氏の系統に属するという.はじめ大和国奥之郷宇野にあったが,9代親信の代に伊豆国八牧郷江川に移り,その後,鎌倉幕府,後北條氏に仕えた.また,英親は,伊豆伊東へ配流された日蓮に帰依し,以後有力な信者となった.『寛政重修諸家譜』に見える当主を江戸時代初頭の者まで示すならば,英治―英親―英友―友治―英信―英房―英住―英盛―英景―吉茂−英吉―英長と続く. 天正18年小田原の陣の際には,英長が徳川家康に従い,それ以後江戸幕府旗本として代官職などを勤めた.江戸~明治時代の当主を示すならば次の通りである.江川太郎左衛門英吉 寛永2年7月17日没,享年80才.江川太郎左衛門英長 代官,寛永9年6月 27日没,享年72才.江川太郎左衛門英政 代官,寛永10年3月22日没,享年39才.江川太郎左衛門英利 寛永10年遺跡のち代官,享年42才.江川太郎左衛門英暉 寛文6年遺跡・代官,享年53才.江川太郎左衛門英勝 正徳1年9月2日遺跡・代官,享年45才.江川太郎左衛門英彰 享保16年11月9日遺跡 寛延3年5月19日代官,享年44才.江川太郎左衛門英征 宝暦8年11月4日遺跡・代官,享年 53才.江川太郎左衛門英毅 寛政1年8月19日生 寛政4年5月4日遺跡.江川太郎左衛門英龍 享和1年5月13日生 天保6年代官,安政2年1月16日没.江川太郎左衛門英敏 天保10年生,安政2年遺跡・代官,文久2年没.江川太郎左衛門英武 文久2年遺跡.英敏弟,最後代官. 江戸時代の当主は代々幕府代官に就任した.前職として他の職に就くものも見られたが,英彰の勘定職,英毅の小十人職のみであり,期間も短い.また,江川英龍(坦庵)は,代官にありながら鉄砲方(天保14年5月就任),勘定吟味役格海防掛(嘉永6年就任)を兼帯した. 明治時代には江川英武が韮山県知県事(明治1年6月就任)に就任した.また,英武は明治政府の命により,明治4年12月アメリカに留学し(明治12年10月帰国),政府の役職を勤めた. また,経営面では直営地ともいうべき囲地を有し,地主的な経営を行っていた.文化的な活動、特に江戸俳人などとの交流も広く見られた.
(関係地)伊豆国田方郡韮山-韮山県-足柄県-静岡県田方郡韮山町韮山-静岡県伊豆の国市韮山韮山
(主題)江川家.および韮山役所(幕府代官),鉄砲方,海防掛,韮山県庁,足柄県庁.江川坦庵,囲地,韮山反射炉,鉄炮,農兵.
(役職等)江川家.および韮山役所(幕府代官),鉄砲方,海防掛,韮山県庁,足柄県庁.
伝来 韮山江川家に伝来した.財団法人江川文庫は,江川家伝来の資料を管理運営するために,1967 年に設置された.その際,文部省史料館(通称)へ1955年より寄託されていた6,000点余の文書は寄託解除となり文庫の管理のもとに置かれた.収蔵公開資料のうちの一部は,文部省史料館(通称)ないし国文学研究資料館史料館がマイクロフィルム写真撮影によって収集しその紙焼き冊子で公開してきた(現在,大学共同利用機関法人人間文化研究機構国文学研究資料館が公開する).また,2002年以降,資料の整理が文化庁及び静岡県・静岡県伊豆の国市の補助事業である江川文庫古文書史料調査と,(財)江川文庫・国文学研究資料館などとの協業によって進められている(2010年6月更新).
入手源
範囲と内容 江川家文書は,4万点におよぶ膨大な文書群である.代官文書としては,幕府勘定所との往復文書のほか,近世中期以降を中心とした支配各国の幕領関係文書がある.また江川英龍らの幕政関係文書,明治初期の韮山県・足柄県文書,および江川家の家に関する文書などからなる.
評価選別等スケジュール
追加受入情報
整理方法 韮山江川家に伝来した古文書等は,1967年に設置された財団法人江川文庫がその大半を管理する。整理は財団設立以前,1955年に文部省史料館が6,000点余の文書の寄託を受け,その整理を行い,カード目録を作成した.1967年の財団設置に伴い寄託は解除となり,その後文庫の管理のもとに文部省史料館・駒澤大学関係者が整理を実施した.整理番号にSが付くものは史料館による整理分,Kが付くものは駒澤大学関係者によるものである.2002年,静岡県・静岡県伊豆の国市の補助事業である江川文庫古文書史料調査が実施され,S・K分も含め総合的な調査を進め現在に至る。方法は古文書が収納される箱や棚などに番号を付し,現状での管理状態を踏まえる方法を採用する(2010年6月更新).
利用条件 財団法人江川文庫では,現在総合調査中であるため,公開体制が整うまで当分の間,本資料は閲覧できない.国文学研究資料館の公開するマイクロフィルム収集資料「伊豆国田方郡韮山江川家文書」は,国文学研究資料館において閲覧できる.
使用条件
使用言語 日本語・中国語・ロシア語・オランダ語・英語・フランス語
物的特徴及び技術要件 痛みの進んだ史料も少ない.取扱には充分な注意が必要である.
検索手段 本データベース以外に,静岡県教育委員会編『江川文庫古文書資料調査報告書2ー古文書(1・2)』(静岡県文化財調査報告書第59集・60集,2007年3月)がある.なお、本データベースはこの『江川文庫古文書資料調査報告書2ー古文書(1・2)』作成時のデータを基本に,一部情報を補充し,また,文部省史料館(通称)ないし国文学研究資料館史料館がマイクロフィルムで収集し,現在紙焼きで公開する史料についての情報を付与した.
原本の所在 財団法人江川文庫(静岡県伊豆の国市韮山)
利用可能な代替方式 写真撮影のみ可能(損傷が進んでいるものは不可)
関連資料
出版物 静岡県教育委員会編『江川文庫古文書資料調査報告書1ー書画・典籍・工芸品・武器類』,静岡県文化財調査報告書第59集,2007年.静岡県教育委員会編『江川文庫古文書資料調査報告書2ー古文書(1・2)』,静岡県文化財調査報告書第59集,2007年3月.戸羽山瀚編『江川坦庵全集』上巻・中巻・下巻,別巻1・2・3巻,1954~1972年,江川坦庵全集刊行会・巌南堂書店.韮山町史刊行委員会編『韮山町史』第1巻~第12巻,1979~1997年,韮山町.矢田七太郎『江川坦庵 : 幕末之偉人』,1908年,青木嵩山堂.仲田正之『人物叢書新装版 江川坦庵』,1985年,吉川弘文館.仲田正之著『江川坦庵』(人物叢書), 1985年, 吉川弘文館.仲田正之『韮山代官江川氏の研究』,1998年,吉川弘文館.仲田正之『近世後期代官江川氏の研究:支配と構造』,2005年,吉川弘文館.高橋敏「初期代官江川家について」,大塚史学会『史潮』104,1968年.高橋敏「打毀しと代官:天保7年韮山代官支配所打毀しについて」,地方史研究協議会『地方史研究』22巻5号,1972年.石井岩夫「韮山塾の発見:高島流砲術習練所」,地方史研究協議会『地方史研究』19巻6号,1969年.大橋周治「幕末鋳砲事業の源流:江川太郎左衛門と韮山反射炉」,『技術と人間』11,1974年.関根省治「近世初期小代官の歴史的性格:豆州代官江川家を中心にして」,弘文堂/歴史学会『史潮』25,1989年.
注記
収蔵名称 財団法人江川文庫

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