識別記号 | ac1948026.01 |
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資料記号 | 23Z1 |
標題 | 祭魚洞文庫旧蔵水産史料 |
年代 | 1621年~1942年 |
主年代 | 江戸後 |
年代注記 | 元和7年(1621)〜昭和17年(1942).大部分は江戸末期から明治中期. |
記述レベル | fonds |
書架延長/数量 | 36m/7246点 |
物的状態注記 | 7246点。ペン書、孔版、青写真、刊本を含む。 |
出所・作成 | 日本常民文化研究所 |
履歴 | 日本常民文化研究所(アチック・ミューゼアム)は、渋沢敬三(1896−1963年)が主宰した博物館兼研究所で、当初はアチック・ミューゼアムであったが、戦時中に外国語を避けて日本常民文化研究所と改称した。敬三は渋沢栄一の嫡孫で、1921(大正10)年に東京帝国大学経済学部を卒業後、横浜正金銀行、第一銀行に勤め、1942(昭和17)年日本銀行副総裁、1944(同19)年には総裁に就任して、戦時金融の運営にあたった。戦後は1945(同20)年10月に幣原内閣の大蔵大臣を勤めた。1953(同28)年には国際電信電話株式会社の初代社長となり、その他数々の要職を勤めて日本経済界の発展につくした。その一方で、アチック・ミューゼアムを主宰し、初めは友人と自邸の一隅の屋根裏部屋に玩具などを収集していたが、昭和初期には邸内の独立した建物に移って民具の収集及び民俗学の研究を始めた。敬三は1933(同8)年頃から実業史博物館設立を提唱し、以後10年にわたる資料収集が進められたが、これらの民俗資料は戦後文部省史料館(現史料館)に移された。また、敬三は1932(同7)年豆州内浦漁民史料を整理したことが契機となってアチック・ミューゼアムを拡張して漁業史研究室を新設し、1934(同9)年邸内にアチック・ミューゼアムとはほかに祭魚洞文庫を建てて若い研究者らと日本水産史の研究を始めるとともに、日本水産関係史料の収集と研究を行うようになり、地方在住の農民や漁民の生活誌を記録させ、それらの成果をアチック・ミューゼアム彙報・ノートとして刊行した。祭魚洞文庫の由来は、敬三が祭魚洞と号したことによる(『渋沢敬三著作集』第1−5巻、平凡社、1992・1993年)。1963(同38)年敬三の没後は財団法人として研究所を継続していたが、戦後、収集史料の一部は水産庁水産資料館(現中央水産研究所)と文部省史料館に移された。その残りの一部は1972年に日本通運(株)を経由して流通経済大学へ移された。1981年より研究所は神奈川大学に委譲され、神奈川大学日本常民文化研究所として活動している。 (関係地)1.東京府東京市深川区‐東京都江東区深川[現在]|2.東京府東京市芝区三田綱町‐東京都港区三田綱町‐港区三田[現在] (主題)― (役職等)― |
伝来 | 戦後、収集史料の一部は水産庁水産資料館(現中央水産研究所)と文部省資料館に移された。その残りの一部は1972年に日本通運(株)を経由して流通経済大学へ移された。 |
入手源 | 1948年度に原蔵者より譲渡。 |
範囲と内容 | 全国にわたる水産関係の収集史料で、商業関係、官庁書類、編纂物、団体規約等を含む。アチック・ミューゼアムの事業の中で採訪筆写された資料も多く含まれている。『史料館所蔵史料目録』第8集での目録編成は、一般、地域別(地方及び都道府県別、旧樺太・台湾・朝鮮を含む)、所属不明分、雑に大別されている。 一般には水産概説、漁業史、水産教育、水産法規、水産行政、水産統計、水産団体、水産生産、生産施設・資財、流通・消費、水産自然科学、民俗に関するものがある。水産団体では、岩手、宮城・福島、茨城、新潟、石川、静岡、愛知、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、岡山、広島、山口、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島諸県下での1902(明治35)年から1911(明治44)年の「漁業組合規則」がまとまっている(史料番号185、各都道府県にも重出)。水産生産では、1849(嘉永2)年加賀国能美郡犬丸村の北村良忠著の「労働図解」(史料番号190、原題「農家必要」)がある。これは小口書に「農耕漁労働図解」とあることから判るように、農耕に限らず、製塩、漁法、製紙に関するものも描かれている。また、水産生産の漁法には、「日本捕魚図志」(史料番号192、折本3帖)、「漁業図解」(史料番号193、折本1帖)などの詳しい解説と図が描かれている善本がある。さらに水産自然科学には、栗本丹州(江戸後期の博物家)著の「春山魚譜」がある。そして世界的にみても現存する数が少なく(現存25点)、初の採色魚類図鑑の「モルッカ諸島魚類採色図譜」(史料番号335、「POISSINS ECREVISSES ETCRABES」、1754年)がある。 地域別と目録編成された主な収集文書群には、次のようなものがある。(1)北海道増毛郡役所勧業掛文書(郡治類典21件)(2)北海道歌棄郡出張役所文書(帳簿14冊)(3)陸奥国雄鹿郡狐崎浜平塚家文書(大肝煎、232件)(4)宮城県名取郡下野郷村塩田及釜敷地争論一件書類(明治13-16年、11件)(5)下総国葛飾郡行徳原木村文書(塩浜関係帳簿14冊)(6)千葉県東葛飾郡船橋九日市仁礼家文書(船橋九日市塩田関係帳簿9冊、明治21-37年)(7)上総国天羽郡竹ヶ岡村鈴木家文書(名主、31件)(8)上総国天羽郡金谷村尾形家文書(浜名主、323件)(9)千葉県安房郡水産組合関係史料(19件)(10)安房国平郡大六村文書(9件)(11)安房国朝夷郡白浜村高木家文書(26件)(12)安房国夷隅郡部原村江沢家文書(名主、64件)(13)千葉県長柄郡白潟村中里加藤家文書(帳簿4冊)(14)千葉県山辺郡四天木村松浦家文書(22件)(15)上総国山辺郡北今泉村上代家文書(割元、78件)(16)千葉県山辺郡豊海村真亀小倉家文書(帳簿11冊、明治3-27年)(17)上総国山辺郡粟生村篠崎家文書(網主、30件)(18)上総国山辺郡片貝村鈴木家文書(網元、22件)(19)千葉県山辺郡片貝村高田家文書(帳簿5冊、明治17-29年)(20)上総国山辺郡作田村高橋家文書(32件、文久-明治)(21)下総国匝瑳郡尾垂惣領村伊藤家文書(大惣代、69件)(22)東京都東京内湾漁業組合文書(記録類16件)(23)武蔵国多摩郡五日市村文書(18件)(24)相模国三浦郡松輪村文書(7件)(25)越後国頚城郡大和川村文書(8件)(26)越中国氷見郡窪村六田家文書(筆写本8冊、慶安3-明治10年)(27)富山県氷見郡中波村大西家文書(23件)(28)富山県氷見郡灘浦文書(7冊)(29)甲斐国三郡村々塩荷一件文書(7件、天保8・9年・安政4年)(30)伊豆国賀茂郡戸田浦勝呂家文書(和歌山藩産物稲取白浜天草関係資料8件、天保期)(31)駿河国駿東郡我入道村文書(31件)(32)岐阜県稲葉郡加納町魚問屋文書(10件)(33)近江国大津干鰯問屋仲間文書(30件)(34)志摩国志摩郡和具村文書(15件、慶安4-昭和11年)(35)屋村文書(網場出入関係7件)(36)摂津国尼ヶ崎魚問屋仲間文書(36件)(37)兵庫県飾磨郡姫路寺沢家文書(赤穂塩他7件、明治初期)(38)兵庫県赤穂郡浜諸事控帳(15冊、明治15-36年)(39)播磨国新浜村田淵家文書(13件)(40)播磨国塩屋村柴原家文書(赤穂塩田関係108件、元和6-明治24年)(41)摂津国大坂干鰯商仲間文書(72件、元禄16-明治6年)(42)摂津国北在寒天製造仲間文書(紀州家国産寒天製造関係史料40件)(43)摂津国寒天製造関係文書(6件)(44)周防国玖珂郡大畠浦岩政家文書(大年寄諸日記7冊、天保3-明治3)(45)阿波国板野郡斎田村山西家文書(塩大問屋兼帯船持、帳簿27冊)(46)肥前国長崎魚問屋文書(21件、文化3-明治6)(47)薩摩国川辺郡小湊村漁業文書(26件、天保14-明治21年) 以上の他に、各地域の捕鯨関係史料・鯨絵巻がある。 |
評価選別等スケジュール | ― |
追加受入情報 | ― |
整理方法 | 利用上の便宜を考慮して、地域別に整理しなおし、かつ同一出所と考えられる史料をまとめたが、再構成は十分とはいえない。利用に際しては、当該地域に限らず、他の項も参照されたい。今後さらなる整理の可能性もある。 |
利用条件 | 数種の「捕鯨絵巻」類、「モルッカ諸島魚類彩色図譜」、「大量祝着図録」は紙焼きで利用されたい。 |
使用条件 | ― |
使用言語 | JAPANESE,ENGLISH |
物的特徴及び技術要件 | 一部の絵巻類に褪色がみられる。 |
検索手段 | 『史料館所蔵史料目録』第8集(1960年) |
原本の所在 | ― |
利用可能な代替方式 | 数種の「捕鯨絵巻」類、「モルッカ諸島魚類彩色図譜」、「大量祝着図録」などが紙焼となっており、当館で所蔵している。 |
関連資料 | 本文書群のうち、水産関係史料では「伊豆国君沢郡内浦史料」(23Z3 23Z5)を独立させた。水産関係史料以外の文書は「祭魚洞文庫旧蔵史料」(同No.397)を独立させた。他機関では、「祭魚洞文庫」(水産庁中央水産研究所、旧水産資料館所蔵)、日本通運(株)から流通経済大学に寄贈された「祭魚洞文庫」(『流通経済大学所蔵祭魚洞文庫目録』1972年)がある。ほかに、渋沢敬三の収集資料では「日本実業史博物館準備室旧蔵資料」(37T)があり、(財)竜門社から当館に寄贈された。 |
出版物 | 「労働図解」(史料番号190)は『日本庶民生活史料集成』第10巻(三一書房、1970年)に翻刻されている。『アチック・ミューゼアム彙報(日本常民文化研究所彙報)』、『アチック・ミューゼアムノート(日本常民文化研究所ノート)』、『流通経済大学新蔵祭魚洞文庫目録』(1972年)。 |
注記 | 一部の文書群は「祭魚洞文庫旧蔵史料」(23Z4)にも含まれているので、両者を併せみる必要がある。 |
収蔵名称 | 国文学研究資料館(歴史資料) |
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