【伊豆国君沢郡内浦長浜村大川家文書||O-KAWA family papers, Uchira-Nagahama village, Kimisawa district, the province of Izu】
識別記号 ac1948026.0301
資料記号 23Z3 23Z5ク
標題 伊豆国君沢郡内浦長浜村大川家文書||O-KAWA family papers, Uchira-Nagahama village, Kimisawa district, the province of Izu
年代 1543年~1903年
主年代
年代注記 1543(天文12)年-1903(明治36)年
記述レベル fonds
書架延長/数量 11m/4252点
物的状態注記 4252点(1029冊、1646通、1557綴、6枚、1巻、1帳、12鋪)
出所・作成 大川家(大屋)
履歴 大川家は屋号大屋。戦国時代には後北条氏の被官として当時西浦庄長浜郷と呼ばれていた長浜に勢力を誇っていた。16世紀末の天正年間からは西浦地方の貢租の徴収権を与えられ、その一族は「御むらきみ(村君)衆」と呼ばれて、近世初頭から事実上村役人的地位にあったとみられる。史料上に名主役として登場するのは17世紀半ばの正保年間からで、大川一族よりなる「四人之年寄衆」が番持でこれにあたることが記されている。名主役は17世紀後半の寛文年間に一時他家にわたったことがあったが、それ以後は再び大川一族が番持で勤め、幕末に及んでいる。 一方、大川家は近世・近代を通じ網度持および津元としても漁村長浜の中心的存在であった。網度(網度場、網戸とも書く)とは漁場のことだが、株化して譲渡や質入の対象となった漁業収益権のことを網度と称しており、その所有者を網度持といった。また津元はいわゆる網元のことであるが、長浜村には大川家を含めて3軒の津元があり、その下に5組の網組(寛文年間以降の史料では大網舟・四郎次・五郎左衛門・法船・三人衆の5組)が編成されて漁猟を行っていた。 つぎに、幕府は1802(享和2)年伊豆下田で樟脳製法を開始するが、大川家当主小文治は翌1803(享和3)年、願い出て樟脳製法方を教わり、1805(文化2)年から江戸御薬園役所に樟脳を上納、1813(文化10)年には御用出精により二人扶持となり、さらに樟木御林守に任ぜられてた。しかしこの頃すでに樟脳生産は伸び悩みの状態にあり樟木御林守の役目も小文治倅四郎左衛門の代で終わっている。
(関係地)伊豆国君沢郡内浦長浜村‐静岡県田方郡内浦村長浜‐沼津市内浦長浜[現在]
(主題)村君‐名主‐樟木御林守;津元
(役職等)村君‐名主‐樟木御林守;津元
伝来 大川家文書は1932(昭和7)年に渋沢敬三氏によって発見され、同氏の編集になる『豆州内浦漁民史料』全4巻(1937−1939年、アチックミューゼアム)によって世に知られた。『豆州内浦漁民史料』出版ののち、本文書群は渋沢氏の学んだ東京帝国大学経済学部研究室に寄贈されることになり(実際に寄贈されたかどうかは今の所不明)、その後渋沢氏の主宰するアチックミューゼアム(後に日本常民文化研究所と改称)に移されて「祭魚洞文庫」の一部に加えられ、さらに東大農学部を経て、1948・1949両年度にわたり当館に委譲された(渋沢敬三「本書成立の由来」『豆州内浦漁民史料』上巻、宇野脩平「国立史料館の構想と日本常民文化研究所」『渋沢敬三先生景仰録』参照)。
入手源 東大農学部を経て、1948・1949両年度にわたり当館に委譲された。
範囲と内容 本文書群は、(1)長浜村村方文書、(2)津元文書、(3)御薬園関係文書、(4)家文書から構成されると考えられる。 (1)は長浜村名主としての公用文書で、「年貢割付状」「年貢取付帳」「年貢浮役名寄帳」「長浜村諸役入用帳」など、近世前期(一部戦国期のものを含む)の年貢諸役関係史料を中心に比較的よく残っている。また漁村長浜を特徴づける貢租として、浮役のほかに浜方分一運上があり、その取立・上納に関する文書が多数残っている。ただし、この部分では名主の機能と津元の機能が分かちがたく結びついているようであり、名主文書と津元文書との間に明確な一線を画することができない。漁出入関係文書の一部などにも同じことがいえる。 (2)は網戸持および津元としての文書で、大川家の家経営文書の一部といえるが、量的にも質的にも本文書群の中心を占めるので、1つのジャンルとしてあげた。網戸売買に関する証文や船・漁具関係史料のほか、「立漁浜帳」「四ヶ村寄合漁割帳」「鰯網割帳」など2000点余にのぼる漁業稼方帳簿が含まれる。 (3)は19世紀はじめに当主小文治が願い出て始めた江戸御薬園への樟脳上納方に関する文書で、書状など約250通である。のちに樟木御林守に任ぜられているので、準公的な性格を持った文書群とみられる。 (4)は津元文書以外の大川家の家政関係文書で、数量は少ないが、由緒書、譲状、土地証文、小作帳簿などがある。
評価選別等スケジュール
追加受入情報
整理方法
利用条件
使用条件
使用言語 JAPANESE
物的特徴及び技術要件
検索手段 『史料館所蔵史料目録』第22・29集(1973・1978年)
原本の所在
利用可能な代替方式
関連資料
出版物 「伊豆国君沢郡内浦史料」(23Z3 23Z5)参照。
注記
収蔵名称 国文学研究資料館(歴史資料)

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