| 範囲と内容 |
内容は以下の4つに分かれる。 1つは日本橋近辺で行われていた肴市場に関する史料である。史料1―1は肴売人12組104名がおそらくは室町一丁目にあてて差し出した市の売場所仕様に関する取り決め証文であり、末尾に104名の連印がある。史料1―2及び史料1―3は、肴売人の連記のみの文書である。史料2は、室町一丁目の南西に隣接する品川町裏河岸に関する史料であるが、これは史料1の文書との関連で本文書群に存在するものと推定される。 第2は、祭礼に関する文書である。神田明神祭礼の1点(史料3)は弘化4年の町触であるが、末尾にこの町触の伝達に関する追筆がある。山王祭礼に関する1点(史料4)は、祭礼掛行事からの文書であり、この時の祭礼の様子が詳細に判明する。第3は、明治期の文書である。明治初年の小区年寄町用掛の勤務規定(史料5)、また通弐丁目の共同給水申し合わせ書(史料9)がある。 最後は萩原家の経営文書3点である。年代はいずれも明治期であり、貸地経営に関する史料が2点(史料6・7)と、金銭出入帳が1点ある(史料8)。金銭出入帳は綴じが外され、各丁は紙背を表にしているものが多い。紙背文書には室町一丁目の土地所有に関する文書が多数見られる。
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