| 範囲と内容 |
本文書群は、冊子文書が大半を占め、(1)近世今宿村村方名主文書、(2)近世由比加宿文書、(3)近代今宿村村政文書、(4)魁運会社文書、(5)池田家の家文書、によって構成されると考えられる。(1)は近世後期のものに限られるが、年貢ならびに土地関係帳簿、村入用帳、御用留などが比較的多い。(2)は、今宿村が神沢村等10か村と共に東海道由比宿の加宿をつとめたことによる文書群である。由比加宿問屋は今宿由比家(幕末期は三次郎)がつとめたが(『由比町誌』83頁)、池田家は今宿村名主として由比加宿惣代のひとりであった。「会所諸入用勘定帳」など会所関係の帳簿をはじめとして、「御伝馬役金割渡帳」「歩行役金割渡帳」「尾州様御登り御通行入用帳」といった諸帳簿が多数ある。(3)は土地関係、民費関係その他がある。(4)は1872(明治5)年に由比、蒲原、岩淵の問屋場が海陸運送のために合同で設立した魁運会社(社長は池田源治郎、副社長は望月謙三。1893年解散)の経営帳簿類である。「荷物手扱帳」「貨物基帳」「蔵入帳」「上方陸附荷物入帳」「金員出納簿」などで、明治10年代、20年代のものを中心に残っている。(5)には種々のものが含まれるが、「当座帳」(天明以降)「大福帳」(寛政以降)などがまとまっている。
|