日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/07.産業
01.絵画
07.産業
冨国歩ミ初メ
明治13年
1880
絵師:翠眼 落款: 本名等: 版元:佐田翠眼  東京小石川戸崎町六十七番安閑寺止宿 
技法:錦絵 法量:363×510
数量:1 
37TA/00019
00019
解説:文明開化の欧化風潮を経済的数量に基いて国益に反すると断定し、徹底した国粋主義論を展開した佐田介石が遊説用に使った1種のパンフレットであろうか(『社会経済論』昭和16年日本評論社刊の本庄栄治郎解題)。有名な『栽培経済論』を始めとしてその立論は独特である。例えば、写真の害を説くのに、使用する銀の量の多さを捉えて、全国に推定1000人の写真士が1日2円50銭の銀を使えば年間91万円余の銀を消費する計算となり、その他の薬品や道具の輪入代金を加算すればさらに高額となる。その上、写真によって日本固有画の需要が低下するため画材料も売れず、年間100万円以上の減収になるというのである。思想的な反論に数量を導入したところに、新時代の反映があるといえる。欧化だけでなく、中国からの輸入にも反対していることは、図の左辺に筆墨・紙類・紫檀材などを挙げている通りで、他の欧化反対論者と違ったところである(下段の文章は前掲『社会経済論』に活字化されている)。(『明治開化期の錦絵』より)
史料群概要
画像有