日本実業史博物館準備室旧蔵資料 | |
37TA | |
01.絵画/07.産業 | |
01.絵画 | |
07.産業 | |
大日本物産図会 若狭国鰈を取図・同蒸鰈製造之図 | |
明治10 | |
1877 | |
絵師:広重III 落款: 本名等:安藤徳兵衛 版元:大倉孫兵衛 日本橋通一丁目十九番地 | |
技法:錦絵 法量:370×257 | |
数量:1 | |
37TA/00023 | |
00023 | |
解説:鰈漁は、図の若狭だけでなく、隣接する越前でも同様の漁法で行っていた。図は「日本山海名産図会」巻三を参考にしており、図中の説明も殆ど同書からの引用である。その説明によると、30石の帆船で帆を横に張り、漁人は船の前後にわかれて、50尋(ひろ)ほどの海底に沈めた網の両端を曳いて捕る、一種の底曳き漁である。海底をさらうので、鰈と同時に蟹がかかったといい、画中の網にも蟹の姿がある。 獲った鰈は、塩水に一晩つけた後に天日で干して、干物にした。これを、タイトルにあるように″蒸鰈″と呼ぶのは、塩水に浸した鰈を砂の上に並べて屋根状の藁莚で覆って蒸すからであり、火を使って蒸すわけではない。蒸し終わったものは、尾の部分を2枚ずつ縄で結えて竿にかけて干しあげる。蒸鰈の図は、原画(名産図会)が左右見開きなのを圧縮したため、人物の配置を重ねるなどの工夫をしているが、図柄としておもしろい。竿にかけた干し場を拡大したため、原画にあった藁莚の蒸し場の場面は省略されている。なお、同地では、同様の方法で小鯛の塩蒸しを作っていた。(原島)≪「大日本物産図会」≫ の解説はNo.20を参照。 | |
史料群概要 | |
画像有 |