日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/05.交通・通信
01.絵画
05.交通・通信
東京名所魚河岸通荒布橋之真景
絵師:広重III 落款: 本名等: 版元:長谷川其吉  小伝馬町三丁目十六番地 
技法:錦絵 法量:350×736
数量:3続 
37TA/00103
00148
解説:題名の「荒布橋」は、日本橋小舟町あたりにあった橋だが、ここに描かれているのはそれではない。本図は、No.77の「東京名勝浅草橋両国柳橋之真景」と同じ版を利用して作られている。図柄は上部の電線が消され、空の色が変えられている点以外は全く同じ。文字は、橋の欄干に表示された名前が浅草橋から荒布橋に彫り直され、対岸の町の家にあった町名の書き込みは消されている。 なぜこのようなことが行われたのかは不明だが、版元が品川屋朝次郎から長谷川其吉に替わっていることから、版木を入手した版元の方で、勝手に修正して版行されたものかと思われる。ともあれ、本図は表示されている地名が全く正しくない珍しい事例だが、当時の出版界の一面を表しているとすれば、図の正確性において開化錦絵には常に注意が必要であることを物語っているともいえよう。(田島)
史料群概要
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