日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/03.経済・金融
01.絵画
03.経済・金融
東京名勝図会 海運橋通り坂本町
明治1
1868
絵師:広重III 落款: 本名等: 版元:万町■■板  万町 
技法:錦絵 法量:372×249
数量:1 
37TA/00109
00154
解説:三代広重の『東京名勝図会』は50枚の揃物というが(吉田暎二『浮世絵辞典』)、当史料の中にはこの1点のみである。江戸が東京と改称されたのは1868(明治元)年7月で、その3か月後の10月に、早くも東京名勝と冠した揃物を版行する版元と作者の機敏さは、同時に、この時代の錦絵がメディアとしての性格を濃厚に背負っていたことを示している。 本図で主題に採用された生産引立会所については、残念ながら設立の年次や事業の内容などを確認できなかった。場所は日本橋の南側に隣接する坂本町であるが、開運橋という橋名も、実は明治新政府によって同年に新しく命名されたものであった。それまでは、海賊橋または将監橋と呼ばれていた橋である。名の由来は、この橋の脇に幕府の海賊奉行を勤める向井将監の屋敷があったことによる通称が定着したものであった。描かれた人物は、2本差しの武士、荷物を背負った供人を連れた女性、戯れる犬を傍観する使いの丁稚などの旧態の姿の中に、筒袖に股引風の袴を着けた武士や警棒を持った邏卆(巡査)を加えて、脇表題の海運橋とともに新時代の特徴を折りこんでいる。
史料群概要
画像有