日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/10.地理
01.絵画
10.地理
六十余州名所図会 淡路五色浜
安政2
1855
絵師:広重III 落款: 本名等: 版元:越平  越村屋平助  
技法:錦絵 法量:358×243
数量:1 
37TA/00118
00163
解説:初代広重の『六十余州名所図会』は、改印から嘉永6(1853)丑年から安政4(1857)巳年までの5年間にわたって作成されたことが確認され、死の前年に完成した最晩年の揃物(全69枚)である。有名な『東海道五拾三次』を始めとする前期の風景画が横判であったのに対し、本図などを含む後期の風景画(名所江戸百景、冨士三十六景など)が竪判であるのも一つの特徴とされる。縦長の画面の特徴を簡単に集約はできないが、遠近を奥への拡がりで表現する手法は、掛軸などに代表される古くからの伝統的手法にもみられるものであり、晩年に及んだ広重がこの構図に回帰したことは何を意味したのであろうか。 東北地方から九州までの全国を対象とするだけに、すべてを実地に取材することはできないので、各種の先行書を参考にしたことが指摘されており、渕上旭江『山水奇観』から多くの場面を採っているという(『浮世絵事典』下巻)。本図は『日本山海名産図会』巻三の讃州榎股の鯛振(ふり)網を参考にしたようだが、海岸線から奥の風景は種本にはない。
史料群概要
画像有