日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/11.風俗・娯楽
01.絵画
11.風俗・娯楽
東京第一号 千歳座劇場明細図 間口拾八間奥行廿五間五尺地坪六百廿余坪
明治17
1884
絵師: 落款: 本名等: 版元:福田栄造  日本橋区上槙町九番地 
技法:錦絵 法量:505×369
数量:1 
37TA/00132
00177
解説:千歳座は、現在の明治座へつながる劇場である。日本橋の久松町に芝居小屋ができたのは1873(明治6)年のことで、近くの両国広小路にあった芝居小屋が移転してきて喜昇座として開業したのに始まる。これが後に久松座となったが経営不振のため、新富座と合併して新しい劇場を建築して、1885(明治18)年1月に開場したのが千歳座である。その背景には、前身の久松座を、1882年4月から新富座の座主であった守田勘弥が、3年間の期限付で引き受けようとしていたことがあり、新富座自身にも欠陥があって、結局のところ合併になった。しかし、1890年5月に焼失して千歳座の歴史は終わり、1893(明治26)年に市川左団次の出資により明治座として再建されて今日まで継続している。 この図は仕掛絵になっていて、中央の劇場外観の部分を下側にめくると、劇場の内部構造と、劇場をとりまくように配置された芝居茶屋などが現れる。客席の等級によって便所が区別されていたり、休憩時のスペースを運動場とよんでいたことが知られる。廻り舞台が2重に切ってあって、蛇の目になっていたり、仮花道を常設なみに描いているなどの情報が得られるが、舞台の上み手と下も手の注記が逆になっているのは注意したい。 (採寸情報)貼り紙の寸法は249×352mm。(青木睦)
史料群概要
画像有