日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/05.交通・通信
01.絵画
05.交通・通信
高架電気鉄道の図
絵師: 落款: 本名等: 版元:   
技法:木口木版 法量:144×220
数量:1 
37TA/00136
00181
解説:単独で1枚だけ収集されたもので、説明のネーム以外に本図の成立を示すものはない。小さい画面にもかかわらず、図のほぼ中央部に横一線の継ぎ目が認められ、細い間隙や直線のズレがみられる。また、用紙の上部は切断面になっておらず、書物の挿図を破り取ったような印象を受ける。さらに、電車の背後に立つ風車のような塔の意味も不明である。 上記の理由から、本図は現実的な設計図か、未来予想図かも判然せず、想定地も日本であるか外国であるかさえも不明である。また、作成の年代も全く手がかりがない。 高架鉄道は、路面鉄道による障害を排除する手段として考案されたもので、20世紀の前半から急速に普及していった。本図には、新しい鉄道工法としての魅力を強調している意図が感じられる。だが、20世紀の中期以後になると、高架鉄道にも欠点が指摘されるようになって、次の交通手段として地下鉄への移行が始まっている。なお、説明には電気鉄道とあるが、車体にパンタグラフはないので、レールに電気を通す方式なのであろう。いずれにしても、将来、本図の出典が明らかになるまでは、多くの疑問を残したままである。
史料群概要
画像有