日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/10.地理
01.絵画
10.地理
近世英勇遺詩・三府三橋勝景之図
明治11年
1878
絵師: 落款: 本名等: 版元:杉山清助  下京第二区玉水町 
技法:銅板 法量:251×475
数量:1 
37TA/00229
00334
解説:片面が『近世英勇遺詩』で西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允の3人を扱い、片面には『三府三橋勝景之図』として京都五条橋、大坂浪花橋、東京万代橋を描いた扇面である。表裏それぞれ3件であるが、人物と橋との間に特別な関係は見出すことができない。とすれば、この扇面の主題は三英勇の方にあろうか。3人に共通する因子は西南戦争である。西郷はいうまでもなく西南戦争の実質的な最高指揮者であり、木戸は従軍中に病死しており、大久保は西南戦争=士族の反乱に反対したため不平士族によって暗殺された。西郷と木戸は1877(明治10)年、大久保は翌1878(同11)年の死没である。この3人の肖像画に、各自の漢詩詠を添えて1面としている。 三橋の方は、旧時の三都、当時は三府となった京都、大坂、東京における代表的な橋を取上げている。京都の橋で知名度の高いものは、弁慶・牛若丸の伝説に登場する五条橋であろう。大坂の浪花橋は、天満・天神の両橋とともに江戸時代から大坂の三大橋に挙げられていたが、中島公園をはさんでの立地条件が優位におされたのであろう。東京の橋といえば日本橋が思い浮ぶが、1873(明治6)年に石造の眼鏡橋に改造された万代橋が人気を得ていたので、ここに挙げられたものと推定される。
史料群概要
画像有