日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/04.建築・土木
01.絵画
04.建築・土木
凌雲閣機絵双六
明治34
1901
絵師:国政IV 落款: 本名等: 版元:井上吉次郎  日本橋区本町二丁目十番地 
技法:錦絵 法量:729×254
数量:1 
37TA/00235
00340
解説:題名は″りょううんかく、からくり、えすごろく″と読むのであろうか。機(からくり)はこの双六が仕掛絵仕立てになっていることと、館内のエレベーター装置にかけた言葉かと推量する。凌雲閣は浅草六区のはずれ千束町二丁目に明治23年11月から開業した観光施設で、全体で12階あったので浅草十二階と俗称された。8階まではエレベーターを通じて客をのせた。内部各階では各種の土産品類を売った。1957年に建設された東京タワーに似て、それ以上の驚異と好奇の眼で人々を寄せつけたといえよう。後に十二階下と呼ばれた周辺一帯が私娼街となったことで(1918年ごろから隅田川対岸の玉の井へ一部が集団移住した)、見物客の姿も浮んでこよう。絵双六は子供の遊び材料であるから玩具絵の一種ともいえるが、多くの錦絵作者が絵双六を残しており、本図のように遊び心はありながら使いすての絵以上の丁寧な作品も多い。仕掛けは外壁の窓を左右に開く(中図)と内景が現われ、さらにその一部を上へまくる(左図)と中心部を昇降するエレベーターが出てくるという二重仕掛けになっている。なお、刊記は24年の可能性もあるが、文字は明らかに卅四なので一応それに従っておいた。(『明治開化期の錦絵』より)
史料群概要
画像有