日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/11.風俗・娯楽
01.絵画
11.風俗・娯楽
春遊一覧雙六
明治15
1882
絵師: 落款: 本名等:上村清左衛門 版元:上村清左衛門  浅草区花川戸町三十二番地 
技法:錦絵 法量:606×725
数量:1 
37TA/00248
解説:表題は『春遊一覧雙六』であるが、描かれた25コマのなかで、東京の新春風物と直結するのは、″上り″の初荷、火消組初出、大かぐら、獅子舞の4コマに過ぎない。ただし、″振り出し″の魚市場も正月2日の初売りは有名で、大勢の客で賑う恒例行事であり、神楽や曲芸なども正月の景物に加えられなくもない。また大角力も、現在と違って年2場所制で、とくに明治以後は初場所を1月にしたため(多くは1月10日初日)、1月との縁が深いといえる。しかし、田植、稲こき、学校、商人、大工、機織りなどは、季節違いであったり、無季節であったりして、正月のなかになぜ登場しているのか明白でない。大工には釿(ちょうな)初め、商人に初売・初荷、学校には書初めがあるから、正月と関連するともいえるが、それならそれぞれの行事名で採用すべきであろう。とはいえ、子供相手の遊戯道具に、こうした考証はヤボというものであろう。なお、曲芸に属するものが、かるわざ・足芸・曲馬と3種が別々にとりあげてあるのは、この時代の見世物が多くは単体で興業されていたことを反映しているようで興味深い。
史料群概要
画像有