日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/03.経済・金融
01.絵画
03.経済・金融
東京各大区之内海運橋第一国立銀行
明治6
1873
絵師:国輝II 落款: 本名等: 版元:司馬若与 
技法:錦絵 法量:368×255
数量:1
37TA/00254
00361
解説:本図に描かれている建物は、1872(明治5)年6月に三井組によって海運橋のたもとに建てられたもので、初め三井為換座、三井組ハウスなどと呼ばれた。擬洋風建築の代表作で、設計・施工は清水喜助。2階建ての西洋風建築の上に唐破風・千鳥破風を備えた城郭風の上層を作り、その上さらに物見櫓風の高楼を突出させるという、実に独創的な様式で作られている。竣工後ほどなく、三井組から、新たに制度化された国立銀行に譲り渡され、1873(明治6)年8月、第一国立銀行として開業した。築地ホテル館、駿河町三井組ハウスと並ぶ、明治初期の巨大建築で、この建物を主題にした開化絵は非常に多い。現在この場所には第一勧業銀行兜町支店があり、「銀行発祥の地」の碑がある。 本図は改印から、1873(明治6)年12月の出版であることがわかる。そのため、描かれているのは第一国立銀行となった後の姿である。しかし、建物部分の描写は、国輝が前年に三井組為替座として描いた3枚組の作品(No.110)の中央の図とほとんど同じ構図を取っている。屋根の上の旗に「ンク」とあるのは、「バンク」であろう。 本図ではNo.110にはなかった前景の人物が見られる。「浅吉」「やつこ」「喜助」と、人物名が入っている。当時の芝居の人物を書き込んだものであろうか。No.605と同版だが、刷りはこちらの方がよい。(田島)
史料群概要
画像有