日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/07.産業
01.絵画
07.産業
天保二年卯十月廿七日於王子上覧有之候 御国益昇水樋之畧図
【天保2年10月27日】
1831
絵師: 落款: 本名等: 版元:   
技法:木版墨摺 法量:429×399
数量:1 
37TA/00301
解説:低位にある水を人工的に高い処へ引き上げる揚水機については、古くから世界中の人々が考えたことであった。日本では中世末期から近世初頭にかけて、各種の揚水機が発明されて、農業用水や鉱道の排水に利用して生産性を高めたことは、よく知られている。 この図は、水車を動力として歯車を作動させて水を押し上げる装置を図解したものである。昇水の高さは採用する土地の状況によって調整できると注記があるから、この図は、製作者の厚樹忠兵衛の宣伝用のちらしであろう。天保2(1831)年10月27日に王子で上覧に供したとあるが、『徳川実紀 続編』の当該日付に「内府、王子のほとり放鷹として成らせらる」とあるから、内府(徳川家慶)が鷹狩に王子辺へ出かけた折に、見せたものであろう。なお、下に貼付してあるのは、ポンプ式の揚水機であるが、紙色も製図法も上図とは異るので、後年になって誰かが同じ揚水機の図面ということで貼付したのであろう。
史料群概要
画像有