日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/10.地理
01.絵画
10.地理
〔東京風景〕 深川仙台堀
明治20
1887
絵師: 落款: 本名等: 版元:   
技法:錦絵 法量:116×168
数量:1 
37TA/00325
00438
解説:仙台堀は、現在の江東区清澄1丁目辺で隅田川と分かれて、東砂町辺で荒川へつながる堀川である。近世には清澄辺に仙台藩・伊達家の蔵屋敷があったところから、堀の俗称となって定着したものという。まだ開発は進んでいないものの、工場の煙突が新しい時代の幕開きを象徴している風景を、水面に映る雲の影の中でとらえている。 作者の井上安治が、師小林清親の作風を習得して、東京の名所風景をハガキ大の小判錦絵にして発表し始めたのは、1882(明治15)年で安治19才であったという。この揃物を「東京真画名所図解」というが(吉田映二『浮世絵事典』)、全部で何枚の揃物か、まとめて発行されたものかも確定されない。枚数については約160枚に達するといい、発行も最晩年の1889(明治22)年に及ぶともいわれている(『原色浮世絵大百科事典』第二巻)。四ツ切の小判であるために、部分的に簡略化されたり、構図に清親の原図を使用するなどの批判もあるが、逆に小判の中に優れた創作の感性が自由に発揮されていると評価する人もある。作品のなかにはたしかに、従来の錦絵とは違う、創作版画に通じるものが感じられる。同じ風景画シリーズである広重の『東海道五十三次』と並べる時に、その違いは時代の空気の差も現しているようである。
史料群概要
画像有