日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/04.建築・土木
01.絵画
04.建築・土木
京都疏水線路之略図 附近江名所
明治24
1891
絵師: 落款: 本名等: 版元:高木仙之助  京都市下京区第廿一組五条橋東六丁目十五番戸 
技法:石版 法量:360×494
数量:1 
37TA/00359
00531
解説:河川や湖沼を水源として、潅漑や通船のために水路を開く工事は、近世にも箱根用水をはじめ、いくつか実施されている。明治期になると外国の技術が導入されて実現した。1881(明治14)年に完成した福島県の安積疏水はその代表である。本図の京都疏水は、琵琶湖の水を京都市内まで引いたものなので、琵琶湖疏水とも呼ばれていたことは本図中の「工事要略」の説明文に使用していることで明らかである。この水路計画は近世初期から試みられたというが実現することはなく、上記の安積疏水が完成した1881年にようやく実施計画が始まり、1885年に着工して、1890年に琵琶湖の大津三保ヶ崎から京都東山の蹴上(けあげ)までの第一疏水の工事が竣工した。「工事要略」には疏水の目的として、(1)水力、(2)水利(船運)、(3)灌漑、(4)水車(精米)、(5)市内の井水・防火、(6)下水整備を挙げているが、水力発電への利用は着工後に追加したものであって、蹴上発電所も追加工事であった。しかし、1891年には送電を開始しており、産業の機械化や市内電車の開通など京都の発展に寄与するところが大きかった。
史料群概要
画像有