日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/03.経済・金融
01.絵画
03.経済・金融
〔両替屋店頭の図〕
絵師: 落款: 本名等: 版元:   
技法:錦絵 法量:359×701
数量:3続 
37TA/00370
00554
解説:幕末の終末期における銭相場の急激な大幅下落を風刺した図。図の中央につり下げられた両替屋の看板に下がる張り紙に″文久銭13〆530文″とあるから、恐らく1866~67(慶応2~3)年ころの相場であろうか。ただし、分銅型に両替の文字があるのは、金銀を扱う本両替屋の看板とされ、銭を扱う銭両替屋には、この看板を使用しなかったという説がある。もし、それが正しければ、図は誤用となるが、絵にしにくい銭相場の説明として許されてもよかろう。この数字は両(金貨)に対する比率であるから、一般の民衆にとっては、生活に必要な物価の上昇となって、家計を圧迫した。近世の三貨制度は、それ自体が複雑であるが、通用する銭の種類も、寛永通宝、天保通宝(当百)、文久永宝(当四)などが併行して流通したから、混乱はさらに増幅されたといえる。作者の″秋人小丸″は、ほかでは見かけない名前だが、訓読みにすると″あきんど、こまる―商人困る″となって、誰人かの戯名であろう。
史料群概要
画像有