日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/05.交通・通信
01.絵画
05.交通・通信
百貫丸焼失之顛末
明治21
1888
絵師: 落款: 本名等:岡田常三郎 版元:岡田常三郎  東京神田区末広町十番地 
技法:錦絵 法量:490×349
数量:1 
37TA/00374
00558
解説:図中の説明にあるように、1888(明治21)年3月18日午前、淡路島の岩屋沖の瀬戸内海で、大坂商船の貨客船百貫丸が火災を起こして焼失、沈没し、乗員乗客94名の多くが死亡した事件を速報したもの。本図の発行は事件後11日目の3月29日であるが、関西地区で発生した事件の東京での通報に、当時としては関心をひくことができたのであろう。明治10年前後に盛んに発行された錦絵新聞の系統に属する作品で、現場写真などは想像も出来なかった時代に、なまなましい事件現場を報道する手段として、発信者も受信者も双方にとって興味あるものだったから、盛行をみたのである。ただし、描かれた内容は作者の想像によるものであって、それをいかに現実性をもたせるかが作者の力量であった。本図でいえば、船先で子供を背負った女性は、文中の宮崎県出身の石川ふじとその初子を取上げたのである。錦絵新聞は、すでに1882(明治15)年ごろに衰退していたが、本図のように単発で発行することは続いていたことがわかる。
史料群概要
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