日本実業史博物館準備室旧蔵資料 | |
37TA | |
01.絵画/08.商業 | |
01.絵画 | |
08.商業 | |
諸商人迷子さがし | |
明治13 | |
1880 | |
絵師: 落款: 本名等:林吉蔵 版元:林吉蔵 南伝馬町一丁目二番地 | |
技法:錦絵 法量:348×484 | |
数量:2続 | |
37TA/00375 | |
00559 | |
解説:右上辺の題名の脇にある外商人の詞に″五銭なり六銭なり商いをした所へ、壱円を出されて、つりがねえというと、今日はまァよそうといわれるには、実に困るて″とあるのが、この図の主題である。幕末の開港時に、外国との金銀比率の差益を狙った通貨移動が、日本の貨幣経済に及ぼした混乱を是正するために、維新後の1871(明治4)年に新貨条例を制定した。この条例は、1円金貨を原貨として、銭・厘の補助貨幣を発行したのであったが、少額通貨の流通に障害が生じたのを風刺したのが本図である。小額通貨を子供に見立て、それが市場から消えた現象を子供の迷子に表現したわけである。図の中央に立っているのが迷い子探しの石碑で、この碑に訪ね人の紙を貼るなどの願をかける習俗があり、江戸は日本橋近くの常盤橋のたもとにも立っていた。本図では、小額通貨を市場から吸引している元凶として、中国人による流出と、将来の値上がりを見込んだ小額通貨の隠蔽にあるとみている。 (採寸情報)左右離れて台紙に貼付されているので合計の寸法を表記した。左右共に348×242mm。(青木睦) | |
史料群概要 | |
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