日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/03.経済・金融
01.絵画
03.経済・金融
〔諸商売の諷刺画〕
慶応1年
1865
絵師:重政 落款: 本名等: 版元:榑正丸平   
技法:錦絵 法量:352×732
数量:3続 
37TA/00386
00582
解説:本図には題名はなく、右辺に刊行の趣旨を記している。それには諸物を大樹にくくりて売買の法を教えた故事を子供用の遊び絵に作ったとあるが、単なる子供用でなく諷刺をふくんだ作品とみるべきであろう。図は、大樹の枝に商品や看板などをのせ、それらから垂れた綱を地上で引張っている。品物と綱との結びつきは宝引を連想させ、大穴を狙って各自が争って綱を引くように商売をしているように見えなくもないが、大樹の上部にかかっている商品が米・炭・織物・味噌・洒などで、No.322,No.334などの高騰商品と共通することをみれば、本図も急激な価格の上昇を諷刺した図とみるのが妥当で、地上で綱を引く人々は上りすぎた商品の値段を引き戻そうとしているので、凧上げの逆を描いたと考えたい。そうすると、左辺で金持ちが他人事のように眺めているのにも理由がたつ。なお、趣意の筆者になっている隅田了古は、No.524の作者と同一人物とみられる。同人の履歴は不鮮明ながら、隅田に居住していたというので、恐らく間違いはなかろう。(『明治開化期の錦絵』より)
史料群概要
画像有