日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/11.風俗・娯楽
01.絵画
11.風俗・娯楽
開化廿四好 瓦燈
明治10
1877
絵師:国周 落款: 本名等:荒川八十八 版元:武川清吉板  須田町四番地 
技法:錦絵 法量:331×230
数量:1 
37TA/00411
00606
解説:コマ絵の題は、いうまでもなく瓦斯灯の意。維新後にガス灯が始めて点灯したのは、1872(明治5)年10月の横浜であった。舶来の点灯具としては石油ランプがあり、一般への普及度は、この方が遙かに速く拡がったが、油を燃すという点では従来の菜種油と同種とみた故か、明るさでは石油ランプに代わりながら、開化の人気ではガス灯が先行していた。 白井権八は、鳥取藩士平井権八という実在人物を、歌舞伎に脚色した際の役名である。権八は殺人犯として処刑されるが、馴染み遊女の吉原の小紫が権八の墓前で自害したのを哀れんで、二人を弔って目黒に比翼塚を建てたので、権八小紫と呼んで有名となった。この実話は1679(延宝7)年であったが、歌舞伎では同じく実在はしたが伝説的要素が多く、1657(明暦3)年に没している幡隨院長兵衛と組み合わせた劇が多く作られている。その中で、権八が手紙を読むシーンは権八小紫物の1つのモチーフとなっていた。現在でも上演される「鈴が森」の場では、夜中に長兵衛が差し出す提灯の明かりで手紙を読む。本図は、その提灯をガス灯におきかえたのである。 No.400参照。
史料群概要
画像有