日本実業史博物館準備室旧蔵資料 | |
37TA | |
01.絵画/11.風俗・娯楽 | |
01.絵画 | |
11.風俗・娯楽 | |
開化廿四好 時斗 | |
明治10 | |
1877 | |
絵師:国周 落款: 本名等:荒川八十八 版元: 通二丁目四番地 | |
技法:錦絵 法量:333×230 | |
数量:1 | |
37TA/00420 | |
00615 | |
解説:西欧の時計技術は16世紀に南蛮文化として伝来し、それをもとに和時計という日本独特の時計を製造し使用しつづけていた。従って、開国後に西欧の時計に接した時に問題となったのは、技術的なことよりも時刻制度だったはずである。1873(明治6)年にそれまでの不定時法を改めた時に西欧と同じ時計を共有することが可能になった。 図の岩藤は、女忠臣蔵ともいわれる『鏡山旧(こきょうの)錦絵』に登場する敵(かたき)役の主人公で、温厚な中老役の尾上を死に追いつめ、尾上の召使お初に仇討ちされる。お初は夜中に奥庭に侵入して岩藤と対決するが、時間を合わせて出会ったわけではないから、時計と直接の接点はない。しかし、尾上の自害を察知する場面は俗に″烏鳴き″といって、宵闇の路上で不吉とされる烏の鳴き声をきくので、時刻と全く無縁ではない。コマ絵の喧嘩にでも出かけそうな女書生は、お初のイメージのつもりであろうか。背景の烏も、上記の烏鳴きを暗示している。(原島) No.400参照。 | |
史料群概要 | |
画像有 |