日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/10.地理
01.絵画
10.地理
東京第壱名所 日本橋之真景
明治25
1892
絵師:延一 落款: 本名等: 版元:永松作之助  日本橋区室町三丁目十番地 
技法:錦絵 法量:361×713
数量:3続 
37TA/00447
00654
解説:錦絵の出現以来、多くの画家たちによって幾多の名作に描かれ続けてきた日本橋の、錦絵による恐らく最終期に属するのではないかと思う作品である。日本橋の北側、魚市場のあった辺を真下にして、やや低い視点での腑瞰図の構成は、初代広重の「東都名所 日本橋真景并ニ魚市全図」という名作を連想させる。表題も何やら酷似しているように思える。違っているのは二条の鉄道馬車や人力車、郵便夫、それに散髪や帽子などの風俗である。あるいは、画質の低調なところが最も違っているといったら皮肉に過ぎるであろうか。ことに色数が少なく、摺りの色ズレが目立つのが気になって、やがて姿を消さざるを得ない錦絵の末路が見えるように思う。とはいえ、日本橋の奥に並んで架っている西河岸橋は、本図刊行の前年明治24年の創架であるから、錦絵上に登場する機会は稀れだったわけで、本図はそれを伝える貴重な場を提供したことになる。(『明治開化期の錦絵』より)
史料群概要
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