日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/07.産業
01.絵画
07.産業
和漢諸色大角力
慶応3年
1867
絵師: 落款: 本名等: 版元:若甚板   
技法:錦絵 法量:372×485
数量:2続 
37TA/00460
00667
解説:日用品や食品で、それまで使いなれてきた在来種と性質が同じか、またはよく似た外来種との対比・対抗を相撲を使って表現している。もともと相撲の番付は、ライバルの対比や同種類の能力の序列化によく利用されていたが、ここでは番付でなく取組みによって個々の対比を扱い、優劣を判定している。表題には和漢とあるが、すでに開国後であるから西欧の物品が登場している。これを和漢でくくってしまったのは、作者の独断か、または当時の一般的な感覚であろうか。いずれにしても、明治維新による開化以前に、少なくとも都市生活の周辺には写真、サボン(石鹸)、靴などの舶来商品が目につき始めていたのである。だが、唐更紗に圧迫されるさんとめ(桟留縞)は、元来がサン・トーマスに由来する近世初期の舶載品から国産化されたものであって、この取合せは和漢というよりも新旧の対立になるが、純粋性を基準にすれば縄文弥生の往古から外来文化を広汎に受容してきた日本文化にあっては、この種の新来文化との対立摩擦が何度も繰返され、必要性に応じて適宜に取捨していった経過は、本図の対抗物品についてもそのままあてはめることができる。(『明治開化期の錦絵』より)
史料群概要
画像有