日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/03.経済・金融
01.絵画
03.経済・金融
三幅対東京慢 海運はしの景
絵師:広重III・国周 落款: 本名等: 版元:万孫板   
技法:錦絵 法量:362×238
数量:1 
37TA/00498
00747
解説:「三幅対東京慢」とあるから3枚の揃物に違いないが、本図以外の組合せは不明である。 東京の自慢地点として″海運橋の景″を選定した本図は3つの部分から構成されており、一種の貼交絵になっている。まず、上部には明治初年の海運橋を象徴する建造物として第一国立銀行を描く。これには広重の署名があるが、次に述べる下部の国周の署名とは大きな違いがある。その下部の図は、歌舞伎の白浪五人男のうちから沢村訥弁が扮する日本駄右衛門である。これには″豊原国周筆″と白抜きで大きく書かれ、その両わきに″渡辺彫栄″と″通一/万孫板″と彫師と出版元の名が連ねてある。広重の署名が空白部に直か書きしてあるのと比べると、国周の方が主力となっているのは明らかである。画面も下部の方が上部より大きく、この点でも本図の中心は下部の図にあるといえる。ただし、題名との関連からみると、海運橋には第一国立銀行が優先する。そこへ、国立銀行といえば日本の銀行ということで、日本駄右衛門が連想されたのである。結果としては、上部の第一国立銀行はコマ絵に近い扱い方であり、それに広重の旧作から借用したと考えるべきであろうか。本図構成の3番目は、図の右側約4分1を占める短冊様の部分で、盆栽の梅と点火された蝋燭、そして5人の作者による俳句が記されている。5句には″橋″″日本晴″″黄金″の語があって、題号と関連づけたのであろうが、その関連は強くはない。(原島)
史料群概要
画像有