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解説:表紙。全体を和本の表紙状に見立てて、″日本看板考″の題箋は別の用紙を貼ってある。以下の各葉でも、一部を貼紙で表現したものがあり、好事家による趣味性の強いものといえる。(原島) ≪「日本看板考」≫ 近世以来、使用されてきた看板を中心にして、新種の職業も加えて、1業種を1枚の絵はがきに仕立てて、『日本看板考』と名付けてある。表題を含めて全23枚あるが、番号や目次に類するものがないので、全体の構成は不明で、これが完全な揃物か、欠落があるかは確かめられない。以下に示した事例から、作成地は大阪と推定して間違いなかろう。しかし、作者(考案者)は不明である。各葉には、作者とみられる雅号の印があるものがあるが、名前に重複はないので競作したものと考えられる。大きさは、郵便はがきの大きさであるが、裏面の″郵便はがき″の文字は、印刷のものと、ゴム印を捺したものとがあり、予め用意した用紙を使用したものではない。次に成立年であるが、4点に貼ってある1銭5厘の郵便切手に捺された消印が″6.11.″または″6.12.″となっており、大正6年または昭和6年のいずれかとなるが、一方に断定するには至らない。
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