日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/08.商業
01.絵画
08.商業
俳優見立夏商人 〔金魚売〕
絵師:国貞I 落款: 本名等: 版元:辻安   
技法:錦絵 法量:361×245
数量:1 
37TA/00501
00773
解説:愛玩用の金魚は、近世初期から存在し、元禄ごろ(17世紀末)には金魚屋で売られたという。図では、ギャマン製の金魚鉢を携行しており、横側から観賞できることで、需要をたかめたと推測される。(原島) ≪「俳優見立夏商人」≫  『俳優見立夏商人』と題する揃物であるが、何枚の揃物であるかは不明。作者の国貞が、香蝶楼を名のったのは文政~嘉永とされているので、そのころの作品と推定するが、当時すでに始まっていた極印がないため、年代をさらに細かく限定することはできない。 題材は、当時、江戸の街で夏期だけに登場する行商たちを、歌舞伎俳優に見立てて、その風俗を描いている。従って、絵の興味の半分は、見立てている俳優にあるわけだが、特定には今後の検討を要する。水売は、添えてある短歌の読人名の″福珠園″から中村福助であろう。帯にふくら雀が描かれているのも、福助と関連がある。金魚売は、梅屋の読人名から、3世尾上菊五郎かと推定される。同人が俳号の梅幸を一時名のっていたことによる。短歌にも″きくなり駒の″と菊がよみこまれている。但し、成駒屋は福助の屋号なので断定できない。虫売も、″倭園琴楼″の読人名にヒントが陰されていると考えるが、大和屋の屋号というほかには思いつかない。
史料群概要
画像有