日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/08.商業
01.絵画
08.商業
商業寿語録 商業電報第三百九十六号附録
明治20
1887
絵師: 落款: 本名等: 版元:商業電報社   
技法:木版墨摺 法量:704×465
数量:1 
37TA/00510
00789
解説:『商業電報』という業界紙が、年末号の附録につけた双六で、当時は正月の室内遊戯として双六に人気のあったことを物語るものである。社業との関連で、双六のキーワードは″商業″に設定されているが、銀行・会社・問屋・小売店などと並んで、田地・鉱山・鉄道・船舶などの資源や輸送機関、勉強・利益・火災・損失という商法やリスクのほかに、盗賊・遊蕩などの陥し穴や、このころに始った商業学校や、極めて珍しかった洋行がとりあげてあるのは興味深い。こうした努力や危機回避によって到達する″上り″は、西洋人と中国人を相手に卓袱(しっぽく)風の食卓を囲む商人となっており、3人は元禄期に急富豪となった紀の国屋文左衛門、ヨーロッパの大財閥ロスチャイルド、中国の春秋時代に巨富を蓄えたと伝えられる猗頓(イ・トン)と注記がある。3人に代表されるのは巨万の富であり、理想の目標としたのである。振り出しは発行元の商業電報社になっているが、生垣を廻した純日本家屋が描かれている。場所は日本橋兜町とある。商業の中心地といっても、施設はこの程度であったわけで、急成長の実体をうかがうことができる。(原島)
史料群概要
画像有