日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/05.交通・通信
01.絵画
05.交通・通信
東京真景図会 あらめばしより江戸橋
明治7
1874
絵師:広重III 落款: 本名等: 版元:大橋   
技法:錦絵 法量:359×239
数量:1 
37TA/00520
00800
解説:石橋に架け替えられた江戸橋と、その奥に建つ郵便局を中心とした構図。荒布橋からはほかにも海運橋や鎧橋などが見渡せ、広重はこの位置からの景観を多くの錦絵に描いている。石橋の架橋技術は江戸時代からあったが、石造のアーチ橋は東京では珍しかったため、当時は開化名所の一つとして盛んに描かれた。 郵便制度の始まりは1871(明治4)年で、駅逓司のちに駅逓寮と呼ばれる役所によって始められた。1874(明治7)年、江戸橋のたもと、現在の日本橋郵便局の位置に二階建て洋館が駅逓寮の建物として完成した。これを郵便局と呼ぶようになったのは、1875(明治8)年1月からである。そのため、同じ建物を描いても、絵によって「駅逓寮」と記されているものもある。 本図を3枚組のNo.530を本図と比較してみよう。No.530では、江戸橋方向(西)を見る右側への視線と、国立第一銀行のある海運橋方向(南)を見る左側への視線が、3枚続きという横長画面によって一つにまとめられている。厳密ではないが2点透視図法的構図といえる。それがなんと本図でも、江戸橋と第一国立銀行が同じ画面に姿を見せている。これは現実にはかなり無理のある構図であろう。できるだけ多くの名所を詰め込むための強引な手法といえる。(田島)
史料群概要
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