日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/03.経済・金融
01.絵画
03.経済・金融
筋違万代橋租税寮之図
明治8
1875
絵師:広重III 落款: 本名等: 版元:倉田屋藤兵衛版  本郷二丁目 
技法:錦絵 法量:371×714
数量:3続 
37TA/00526
00806
解説:この場所にはもと筋違橋と呼ばれる橋があった。江戸城筋違橋門がその役割を終え、見附が解体される際、その石材を利用して作られたのが万世橋である。九州から技術者を呼び、2つのアーチをもつ、眼鏡橋の形式の石橋が1873(明治6)年に完成した。今日では「まんせいばし」と呼ばれているが、本図の橋の親柱に書かれているように、当初の名は「よろづよばし」だった。そのためしばしば「万代橋」とも表記される。石造の橋は東京では珍しかったため、開化名所の一つとなった。 本図は神田川の北から南東方向を見ている。正面に見える白い建物は租税寮出張所。租税寮は、1871(明治4)年に租税司を改称して設置された大蔵省の内局で、同10年に租税局となった。本図に見える出張所は7年に開設された。和洋折衷建築で、万世橋と共に開化名所の一つとなった。 右下の乗合馬車に「新橋より万代橋まで」「千里軒」の文字が見える。千里軒とは、乗合馬車を営業していた店名。「往来のさはりをなんとせんり軒、馬車は諸人に便利といへども」とうたわれ、当時の繁昌ぶりを知ることができる。(田島)
史料群概要
画像有