日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/03.経済・金融
01.絵画
03.経済・金融
東京開化卅六景 海運橋国立銀行
絵師:広重III 落款: 本名等: 版元:   
技法:錦絵 法量:140×198
数量:1 
37TA/00532
00812
解説:本図に描かれている建物は、1872(明治5)年6月に三井組によって海運橋のたもとに建てられたもので、初め三井為換座、三井組ハウスなどと呼ばれた。擬洋風建築の代表作で、設計・施工は清水喜助。二階建ての西洋風建築の上に唐破風・千鳥破風を備えた城郭風の上層を作り、その上さらに物見櫓風の高楼を突出させるという、実に独創的な様式で作られている。竣工後ほどなく、三井組から、新たに制度化された国立銀行に譲り渡され、1873(明治6)年8月、第一国立銀行として開業した。築地ホテル館、駿河町三井組ハウスと並ぶ、明治初期の巨大建築で、この建物を主題にした開化絵は非常に多い。現在この場所には第一勧業銀行兜町支店があり、「銀行発祥の地」の碑がある。 本図は改印等はないが、図中の建物にも「第一国立銀行」の看板が掛かっているように、1873(明治6)年に第一国立銀行となって以後の情景を描いていることがわかる。屋上の旗に見えるマークは第一国立銀行のもの。なお、本図はいわゆる縮緬絵と呼ばれるもの。縮緬絵とは、普通の錦絵を棒に巻き、揉んで皺をつけたもの。この処理によりサイズが縮小する。本図と同シリーズと思われるNo.381と比べると、長さにして2割ほど小さい事がわかる。明治期では外国人向けに機械で生産されるようになった。外国では、卓上の手拭きに用いられたという。(田島)
史料群概要
画像有