日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/05.交通・通信
01.絵画
05.交通・通信
東京府下自漫競 江戸橋石造
明治7
1874
絵師:広重III 落款: 本名等: 版元:   
技法:錦絵 法量:368×246
数量:1 
37TA/00533
00813
解説:荒布橋上から江戸橋越しに駅逓寮と第一国立銀行を望む。荒布橋は現在の日本橋小舟町の辺りにあった橋。現在はこれが架かっていた川(西堀留川)が埋め立てられているため、その姿はない。荒布橋からはほかにも海運橋や鎧橋などが見渡せるため、広重はこの位置からの景観を多くの錦絵に描いている。本コレクションではNo.520、No.530がそれにあたる。他の作品では荒布橋も石橋となっているが、本作品はまだ木造なので、同じ構図の中では初期の作品といえる。 江戸橋は1874(明治7)年に石橋に架け替えられた。石橋の架橋技術は江戸時代からあったが、石造のアーチ橋は東京では珍しかったため、開化名所の一つとなった。 郵便制度の始まりは1871(明治4)年で、駅逓司のちに駅逓寮と呼ばれる役所によって始められた。1874(明治7)年、江戸橋のたもと、現在の日本橋郵便局の位置に二階建て洋館が駅逓寮の建物として完成した。1875(明治8)年1月からは、「郵便局」と呼ばれるようになった。 第一国立銀行は、1873(明治6)年三井家によって建てられた擬洋風建築の代表作で多くの開化絵に描かれている(No.108などを参照)。現実の位置関係から言えばもっと左で、枠の外になるはずだが、縦長の構図に収めるために移動したものと思われる。(田島)
史料群概要
画像有