日本実業史博物館準備室旧蔵資料 | |
37TA | |
01.絵画/05.交通・通信 | |
01.絵画 | |
05.交通・通信 | |
鉄道馬車通行之図 | |
明治15 | |
1882 | |
絵師:国利 落款: 本名等:波多野常定 版元:波多野常定 湯島六丁目二十五番地 | |
技法:錦絵 法量:372×724 | |
数量:3続 | |
37TA/00564 | |
00844 | |
解説:右手に新橋ステーション、左に銀座煉瓦街、正面奥に東京湾を遠望するという、大胆かつ雄大な舞台を背景に、鉄道馬車らしきものが大きく描かれている。 鉄道馬車は1882(明治15)年、新橋-日本橋間を皮切りに開業して以来、東京市街の主要地域を結ぶ交通手段として繁栄した。営業を開始したのは、本図の「御届」の月である6月の25日。したがって本図に描かれているのは、鉄道馬車開業時の風景と考えたくなる。ところが、今日知られている限りでは、この地を通行していた東京馬車鉄道会社の車両には、本図のような細長い車両はなかったのだ。同じような間違いはほかの絵師にも見られる。マスプロ電工美術館所蔵の3代広重筆「鉄道馬車往復日本橋之真図」も1882(明治15)年6月の作だが、車両は3両を連結した形で描いている。鉄道であるからには、蒸気車のように連結式に違いないと、先走って描いたのだろうか。ただ、No.590で国利は1880(明治13)年の段階で、はるかに実物に近い図を描いているので、なぜ直前になってからこれほどあり得ない形を描いたのか謎である。(田島) | |
史料群概要 | |
画像有 |