日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/07.産業
01.絵画
07.産業
明治廿八年四月一日ヨリ西京ニ於テ開設大博覧会真景之図
明治28
1895
絵師: 落款: 本名等: 版元:長谷川久美之助  神田区柳原川岸町 
技法:錦絵 法量:378×714
数量:3続 
37TA/00565
00845
解説:内国勧業博覧会は、明治政府が殖産興業政策の一環として開催した博覧会。1877(明治10)年に第1回の博覧会が行われ、以後、1881(明治14)年、1890(同23)年、1895(同28)年、1903(同36)年と5回行われた。万国博覧会の国内版というべき形式で、全国各地から出品された。内容は、鉱工業、農業、美術工芸など多岐にわたる。 本図は、明治28年に京都で行われた第4回内国勧業博覧会を描いている。第3回までは東京での開催だったが、第4回で初めて関西にやってきた。近代京都の発展を強力に後押しする大イベントとなった。 当初平安遷都千百年にあたる1894(明治27)年に合わせて開催の予定だったが、シカゴ万博と重なるため一年後の1895年開催となった。博覧会場は現在の左京区岡崎公園一帯。その一番北には、博覧会のモニュメントとして、平安時代の大極殿を模した建物が建設され、これを拝殿とする平安神宮が創建された。 本図は会場の南端、入口付近の様子を描く。正面の建物は、会場入口を兼ねた工業館で現在の京都市美術館と京都国立近代美術館の間の位置になる。手前の「運河」と記された流れは、1890(明治23)年に竣工した琵琶湖疏水の一部。 作者の梅翁は経歴不明だが、落款より、東京の画家で、京都に来てこの図を描いたことがわかる。そのせいか、背後の山並みに描き込まれた地名は、黒谷の隣に嵯峨、御室があるなど、まったくでたらめである。(田島)
史料群概要
画像有