日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/08.商業
01.絵画
08.商業
名所江戸百景 大伝馬町こふく店
安政5
1858
絵師:広重I 落款: 本名等: 版元:〔破損〕栄   
技法:錦絵 法量:360×248
数量:1 
37TA/00570
00851
解説:初代広重(1797~1858)の『名所江戸百景』は、1856(安政3)年2月から1859(同6)年4月まで2年9か月にわたって版行された。題名には″百景″とあるが、合計で119景に達しており、死の直前に及ぶ晩年の最大作品である。ただし、そのうち4点は門人の二代広重の作といわれている。有名な『東海道五拾三次』をはじめとして、前~中期の広重の作品が大判の横画であったのに対して、この″百景″は紙を竪に使っていることが注目される。ほぼ同時の1856年3月に版行した『江戸名所―大伝馬町ごふく店』(No.471)は、本図と同じ場所を描いているが、こちらは従来と同じ横画である。竪画の作品は1853(嘉永6)年刊行の『六十余州名所図会』でも試みており、広重は竪判に収まる風景画へと新しい作画に挑戦したのである。本図では、前景の極端な接写と、背景の家並みを巧にずらした遠近法を、うまく合成させて、独特の画に仕立てている。 本図は、江戸名所の一つとして、江戸の中心街であった大伝馬町の木綿呉服商街をとりあげている。その街でも間口36間という下村大丸屋の店前を行列して通っているのは棟梁送りの一行である。棟上式の祝宴のあと、棟梁を家まで送っていくという習慣で、大店の並ぶ豪勢な街の雰囲気に似合う、これまた景気のいい添景として描いたのであろう。(原島)
史料群概要
画像有