日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/07.産業
01.絵画
07.産業
陸奥地方の林業図
絵師: 落款: 本名等: 版元:   
技法:石版 法量:288×423
数量:1冊 
37TA/00610-001
00926
解説:全8図を折帖に仕立てて、表題も、各図の説明記事も別紙を貼付してある。″陸奥地方″が具体的にどの地域であるか、製作の年代も不明であり、末尾の第八図に収めてある″杣具ノ図″も図のみで品名も記されていないため、利用には制限があろう。年代については、図中の人物の服装などから明治以後と推定できるが、それ以上に限定することは困難である。 表題には″林業図″とあるが、本図が採りあげたのはいわゆる生産林業のうちの、伐採、製材、搬出の部門に限られる。図は、 (1) 山中で伐採に従事する職人を描いた「杣小屋内夜中ノ景」 (2) 実際に立木を伐り倒したり、倒された木の枝を落したり、横に切断する情景を描いた「伐木及造材ノ図」 (3) 原木を回転させながら角材に仕立てる「大材角取ノ図(回転方法)」 (4) 山中で伐り出した木材を平地へ搬出するための川下げに必要な、川を堰きとめる柵を造る「谷川留メ棚ノ図(表)」 (5) 全図の柵を裏側からみた「谷川留メ柵ノ図(裏)」 (6) 前々図で一度止めた川水を放流して、溜った木材を川下げするための「山中谷川留メ棚切リ落シノ図」 (7) 下流の荷揚げ場で、再び川に柵を設けて流れついた木材を岸に引上げて井桁に組んで積みあげる「土場着材及積立ノ図」 (8) 以上の工程に必要な道具類を集めた「杣具ノ図」で、この中には工具のほかにも、杣人が雪中で利用するカンジキなども描かれている。川下げの場面では、他の地方でみられるような筏組みの手法はなく、着材場では木材が雑然と流れついた状態である。木材の種類や、川下げに要する距離や流速などとも関連することであるが、川下げの一方法として参考になる。(原島)
史料群概要
画像有