日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/12.貿易
01.絵画
12.貿易
〔開港当時神奈川港の摺物〕 大日本国ヨリアメリカ州ヘ渡海の御船
絵師: 落款: 本名等: 版元:   
技法:木版墨摺 法量:227×303
数量:1 
37TA/00611-011
00934
解説:1860(万延元)年に、日米修好通商条約批准のために初めて日本から渡米した使節団が乗船した船を報じたものである。しかし、この使節団が使用したのはアメリカの軍艦ポーハタンと、幕府の軍艦咸臨丸であったから、本図の日本丸と環光丸は2隻とも事実に符合しない。だが、全くの誤りかというと、そうともいいきれない。まず、日本丸については、同名の船は秀吉の時代と昭和初年のものが知られているが、この時代には存在しない。ただ、オランダから咸臨丸を購入した時点では、ヤッパン号と称したというから、これを和訳すれば日本丸でよいわけになる。次に、環光丸については、この当時、幕府が保有していたのは観光丸であって、文字が違っている。実際に使用されなかった船名がここに出てくるのは、遣米使節団の船として最初に候補となったのが実は観光丸であったためと考えられる。このように、一方は実際に就航した船名を旧名から勝手に和訳し、一方は候補に終った船名を誤記した結果、事実と符合しないものとなったようである。(原島) ≪〔開港当時神奈川港の摺物〕≫についての解説はNo.661-01を参照。
史料群概要
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