日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/07.産業
01.絵画
07.産業
奈良博覧会物品目録
明治8
1875
絵師: 落款: 本名等: 版元:西京煥文堂印行   
技法:木版墨摺 法量:317×422
数量:1(7枚の内) 
37TA/00677-005
01036
解説:全国各地で開催された博覧会の多くは、産業育成を目的とした勧業博覧会の系統に属するものであったのに対して、奈良博覧会は過去の古器物を展示する博物館の性格をもっていた。これは奈良という土地柄もあり、古器物に関心をもった蜷川式胤が開催に影響力をもったことに原因する(蜷川式胤についてはNo.577の解説を参照)。奈良県では1874(明治7)年8月に奈良博覧会社を発足させ、宝器類の模写を主要事業とした。 この出品物目録は、1875(同8)年に開催した第一回奈良博覧会のものである。それは目録の第弐号~第五号に捺された「文部省 官許 明治八年五月三十一日」の朱印で確認できる。なお、同会は4月から6月まで80日間開催された(「奈良市史」通史四)。目録第壱号の冒頭に記された開催趣旨に″陳列物の大半は正倉院の御物であり、これを通じて昔人の人智の巧妙であったこと″を認識させたいとある。実際の出品物は、法隆寺、信貴山、春日神社、談山神社などの寺社をはじめ、個人の所蔵品も多く出陳されている。これらの出陳物は、調査・模造・染織品の保存などを条件にしたといい(前掲市史)、文化財の調査・保存への模索が始まっていたのである。第一回以後、1890(同23)年まで毎年開催されて15次に及んでいる(1877年のみは非開催)。(原島)
史料群概要
画像有