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解説:1914(大正3)年3月20日から7月31日まで4か月余にわたって開催される″東京大正博覧会″を、直前の3月1日付で案内した東京朝日新聞の記念号である。この博覧会は東京府の主催であるが、全国から出展されており、1903(明治36)年に第5回を開催したままになっていた内国勧業博覧会を実質的に継承する内容になっていたようだ。また、第一会場の正門の楼上におかれた3体の女神像が、三種の神器を模したと説明されているように、翌年の19同4)年11月10日に予定されていた大正天皇の即位式を祝う意味もあったと推測される。両会場に開設された特殊建築物として、迎賓館やエスカレーターとともに、樺太館・朝鮮館・台湾館が特記されているのは、日清・日露の両戦争を経て、確実に進行する植民地政策の成果を誇示する政府の方針が露骨に提示されている。それは、両会場のほかに、遠くはなれた青山練兵場を特別会場として飛行機を陳列したことにも明白である。 とはいえ、国産小型乗用車の先駆的試作品であるDATI号の出品や、箱入キャラメルの発売やドーナツの実演販売など、この後の一般人の生活に直結する新製品が登場していたことも、いわゆる大正文化を形成する上で一定の効果をあげたことも認められるだろう。(原島)
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