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解説:内国勧業博覧会は、明治政府が殖産興業政策の一環として開催した博覧会。1877(明治10)年に第1回の博覧会が行われ、以後、1881(明治14)年、1890(同23)年、1895(同28)年、1903(同36)年と5回行われた。出品物の内容は、鉱工業、農業、美術工芸など多岐にわたる。万国博覧会の国内版というべき形式で、全国各地から出品された。各県は博覧会のため競って当地の名産を送り込み、会場では県別に陳列が行われた(No.700等を参照)。 本資料は、1877(明治10)年に行われた第一回の内国勧業博覧会における、愛知県からの出品物を、同県の博覧会委員が翌年にまとめたもの。出品人数、物品点数、原価、売却高を各部門別に集計し総計を出し、下段には賞牌を受賞した者の氏名を記す。それによると、出品人の総計は563人、点数は2484点であった。周囲には、主な出品物を絵で表している。 委員の緒言に「其物品中最も優等に属するものには各種の賞牌を授与して其人の名誉を表せられたり。則ち当県下出品人中其員に加わるもの百五十二名。豈に盛事と云はざるべけんや」とあり、愛知県としては成功裏に終わったものと総括していたことがわかる。(田島)
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