|
解説:関西府県連合共進会は、第一回を1883(明治16)年に大阪府で開催した後、86(同19)年に広島、88(同21)年に京都、92(同25)年に奈良、94(同27)年に石川、97(同30)年に兵庫、98(同31)年に富山、1902(同35)年に香川、07(同40)年に三重と受け継いで、本図の第十回は19同43)年に愛知県名古屋市で開催された。しかし、同一名の共進会であるが、参加する府県は一定でなく、最小は第五回の石川県主催の時で2府11県、最大第十回の3府28県であった。第一回を1府16県で始めているが、その間30年近くも経過しており、日本の社会も経済も大きく変化した時であるから、内容も性格も当初と違ったとしても不思議でない。 こうして第十回は、名古屋市内の鶴舞町に約1万坪の会場を設営して愛知県主催で開催された。会期は3月16日から6月13日までであった。これに要した総経費は74万9千円余に達したが、名古屋市で開催した各種の共進会のなかでも″最も大規模にして市勢の発展に多くの影響を与えた″という(『名古屋市史』産業編)。この会への出品は、11部91類に、総計12万9766点となり、入場者は260万人を超えた。この時に、豊田佐吉に対して織機発明者として功労賞を授与している。また、本図には描かれていないが、会場と市中幹線道路にガス灯・ガス街路灯を設置したとも伝えられている(『明治大正家庭史年表』)。(原島)資料が入っていたと考えられる日本実業史博物館の封筒が共に収蔵されている。
|