日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TA
01.絵画/07.産業
01.絵画
07.産業
東京名所 上野景内一覧
明治14
1881
絵師:国利 落款: 本名等:山村清助 版元:長谷川其吉  小伝馬町三丁目十六番地 
技法:錦絵 法量:352×715
数量:3続 
37TA/00720
01123
解説:作品名には記されていないが、上野公園で行われた内国勧業博覧会の図。内国勧業博覧会は、明治政府が殖産興業政策の一環として開催した博覧会。1877(明治10)年に第1回の博覧会が行われ、以後、1881(明治14)年、1890(同23)年、1895(同28)年、1903(同36)年と5回行われた。万国博覧会の国内版というべき形式で、全国各地から出品された。内容は、鉱工業、農業、美術工芸など多岐にわたる。 本図をよく見ると、メインの建物と言うべき美術館は、第1回の博覧会のものが描かれている。しかし、第2回の博覧会で建てられた時計塔や、猩々の噴水(美術館の前)が見られることから、本図は第2回内国勧業博覧会の会場風景であることがわかる。手前に描かれる行列は、開場式に向かう明治天皇の一行であろう。 なお、本図の左の図を見ると、No.718,719の暁斎の作品とよく似ていることがわかる。特に、東照宮と教育博物館はそっくりである。おそらく1877(明治10)年の、第1回の図(No.718)を参考にして作られたものだろう。画家の間での図柄の借用の例として興味深い。(田島)
史料群概要
画像有