日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TI
02.広告/15.宿泊・旅行/01.旅宿業
02.広告
15.宿泊・旅行
01.旅宿業
旅宿案内状
印刷様式:墨刷 245×85/246×82/158×198
3枚
37TI/00051
01194
旅宿が相互に連繋して旅人の安全な旅行を支援する動きは江戸時代にも浪花講などの結成で知られているが、これは道中の次の宿へ引継ぐ紹介状である。(1)は野州粟野の中屋弁治、(2)は日光鉢石町の野口屋市三郎のものであるが、両者は関連があって、(1)には野口屋の朱印が捺してある。すなわち、前夜、野口屋に泊った客が次宿として中屋を紹介されたのであった。(3)は前記のような紹介を目的に作成されているが、特定の旅宿でなく自由に使える形式となっている。前宿から次宿への引継は両方とも手書きによる。印刷されているのは“此御客様御さし宿仕候間…”という紹介文である。もちろん、旅人が勝手に作ったのでなく、連繋する旅宿の組合のようなところで発行したものであろう。ここには馬喰町の山城屋が大和田のますやを紹介している。3種に共通するのは“道中にてかれこれあしく申候共”とか“外宿へ御すすめ申上候とも”とか、客引や人力車夫などが甘言で不良旅宿へ案内することを回避していることである。(2003年度原島陽一客員教授作成)
史料群概要
画像有