日本実業史博物館準備室旧蔵資料
37TI
02.広告/10.興業/01.演劇・各種
02.広告
10.興業
01.演劇・各種
春雨傘貼交絵引札
明治34年4月
1901
発行者:福田熊次郎||出版人:福田熊次郎||出版人住所:日本橋区長谷川町十九ハンチ||画家:国周
印刷様式:色刷 367×253/368×253/370×253
3枚続
37TI/00061
01204
正確には『侠客(きょうかく)春雨傘』という芝居は、福地桜痴原作の同名の小説を脚色したもので、発行と同じ明治30(1897)年4月に初演された。以前ならば、歌舞伎の役者と場面だけで構成されたはずであるが、この時代にはそれだけでは成立できなくなったのであろうか。多くの広告をとり入れた貼交絵に仕立ててある。芝居の筋は十八大通の1人である大口屋暁雨を主人公にしてあり、町奴の釣鐘庄兵衛を被差別部落の出身と設定したところに時代の空気を反映している。作品は現在も時々上演されている。初演の配役は暁雨に市川団十郎(9代)、葛城に中村福助(4代) で、本図の通りである。左図にある“春雨傘”の歌詞は端唄の『春雨』をもじった替え唄で桜痴が作詞したものであろう。貼交になっている広告は、薬と酒と化粧品が各2種に食料品が1種の計7店である。左端に“歌舞伎座江”の文字が半分見えており、本図が引幕の趣向になっている。(2003年度原島陽一客員教授作成)
史料群概要
画像有